伝統的いけばなの中に、生花(せいか)という様式があります。私ども「古流」も生花様式の花型を持った花を伝統的に受け継いでいます。これを「伝承花」「立ち生け」「古典花」などと呼んで、現在の花と区別しています。
現在の花にも「花型」という型を持った花もありますが、ここではオリジナルな古典の花の「型」についてお話ししたいと思います。
型には意味がある
江戸時代、花道は教養、修練のために生けられていました。当時の幕府は「儒教」や「朱子学」を国の学問にしようとしていましたので、華道も武家の修養の一つとして受け入れられました。
「型」は3本の枝から成り立ち、それぞれの枝に意味を持たせています。
その3本は「真(しん)」「流(ながし)」「受(うけ)」と呼ばれ、「天地人」や儒教の五常の精神である「仁、義、礼、智、信」などを当てています。
弁理無くして只花生けるは 小児の戯れに等しからずや
古流初伝序
意味もわからずに花を生ける行為は子供のお遊びと一緒だよ。と戒めています。
花も生き物、その短い命をいただくのですから、命を弄んではいけませんよね。