初夏の水辺物のを生ける

いけばなについて
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水辺物は水に縁のある植物たちを指します。広口の器(水盤)に生けて、水をたくさん見せると涼しく見える暑い夏に涼風を感じる花たちです。

河骨(こうほね)

スイレン科 河骨は池や沼などに自生する水生植物です。根茎が白く、骨のように見えることから「川の骨」=「河骨」と呼ばれています。
いけばなの中で水揚げが困難なものの一つです。現在は生産量が減少し、普通のお花屋さんでは見ることができません。

杜若(かきつばた)

アヤメ科の水生植物。水辺物を代表する花。この花を書付に使ったので「書付はな」=かきつばたになったといわれています。(諸説あり)いけばなでは古くから生けられてきました。「葉組」といって葉をバラして再び組み直して生けます。
四季に花を咲かすといわれ、季節ごとのいけ方が伝えられています。

菖蒲(しょうぶ)

アヤメ科 杜若と似ていますが、いけばなでは花を高く、株数を多く直線的に勢いよく扱います。

菖蒲は「勝負」や「尚武」と音が一緒のため、また、葉が刀のように鋭い形をしていることから、武士の花=男=端午の節句にいけられるようになりました。

姫蒲(ヒメガマ)

ガマ科の抽水植物 河原や池で見られるのは「マガマ」で背丈を超えるような大型のガマです。
いけばなでは小型な「姫ガマ」を使うことが多いです。
穂を生けますが、葉だけでも美しいので生けることがあります。

蓮(ハス)

インド原産のハス科の多年生水生植物。
河骨と同様に水揚げの困難な花の一つです。
いけばなでは小型種の「茶碗蓮」を生けます。「開葉」「巻葉」「花」をそれぞれ決められたところに扱います。

睡蓮(スイレン)

スイレン科の多年生水生植物。浅い池などに自生します。
「浮葉」「巻葉」「花」の扱いがあります。

太藺(フトイ)

カヤツリグサ科 浅い池などに自生する多年生植物。「太い藺草」という意味だが藺草はイグサ科で分類は別の植物です。
いけばなでは園芸種の「縞太藺」などを生けることも多いです。

水辺物の応用例

ここでは太藺、段竹、杜若、海芋などを大きな水盤に寄せて生け、初夏の水辺の風景を生けてみました。